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★ホーム    ☆南相馬市へカプラワークショップ(東町児童センター2012・7・14)





 

 平島公園クラブ(屋外型児童厚生施設平島児童遊園にある地域組織活動)では、隣保相愛・相互扶助の考え方で地域作りをしています。昨年も4月11日に東日本大震災にクラブで出来ることはないかと考え、宮城県東松島市野蒜へ400食のカレーライスの炊き出しに出かけてきました。
 今回は新潟県児童館連絡協議会・全国地域活動連絡協議会(みらい子育てネット)と共催をして、福島県南相馬市へ出かけてきました。
 南相馬市ではまだ屋外で遊ぶことが出来ないと聞いたので、夏休みに向けて、カプラの活動を紹介したいと思ったからです。
 新潟市を午前6時に出かけました。私はカプラを2400ピース車に積み込んでいきました。すでに全国地域活動連絡協議会より、南相馬市東町児童センターには新品カプラが届いていたので、このカプラを使って、午前11時から1時間カプラ遊びの基本的なことをやりました。
 南相馬市では土曜日には拠点開催をして児童クラブの運営をしていました。4つの児童クラブから8人の子ども達と5人の指導員の方々が参加してくれました。
 新品のカプラはとてもいい匂いがします。木の香りがとても素敵でした。このカプラはこのまま、南相馬市の児童クラブへの寄贈となります。
 南相馬市ではまだカプラを使ったことがなく、カプラもなかったので、長い夏休みを過ごすために、ぜひ活用して欲しいと思って、今回の企画をしました。
カプラの箱(200ピース入り)に蓋と本体に『寄贈・全国地域活動連絡協議会・平成24年7月吉日』とのシールが貼ってあります。
 新潟を出て、高速道路で磐越自動車道を走り、カーナビに案内されるままに船引三春インターで下りました。この後山道を飯館村を経由して、南相馬市へ向かいました。その途中に浪江町へ通じる道路があり、特別警戒区域で警察官が放射能用のマスクをして、出入りをチェックしていました。山の中の道路は人がいなかったので、車を止めて、一緒に出かけた仲間の山本さんと写真を撮りました。
さらに走っていくと道路の脇を防護服とマスクをして草刈りや重機を動かして作業している人たちがいました。
 東日本大震災とくに福島原発事故の復旧はまだ手が付けられていない現状であることが感じられました。
 水田は耕作することができず、多くの民家は避難をしていて、生活をすることがまだできない状態のようでした。 
 午前11時前に南相馬市東児童センターに到着しました。昼食前に1時間カプラの活動をしました。カプラの扱い方(うち履きを使わない・カプラを投げない・汚くしないなどのきまり)を伝えた後に、みんなでそれぞれ遊んでみました。
 カプラは寝る・起きる・立つの三つの使い方があります。これだけで作品は本当にいろいろなものが出来ます。自分なりに自由な作品が出来ることが一番です。
 上の写真では寝るでピラミッドを作っています。左の子はモザイクのようなものを作りました。
 十人十色と言いますが、子ども達はそれぞれの個性に合わせてまったく違う作品を作ります。少ないカプラでも遊べるし、たくさんのカプラでも遊べます。ユニバーサルデザイン的な活動です。
 またガードナーの多重知能理論(言語的知能・論理数学的知能・身体運動的知能・空間的知能・音楽的知能・博物的知能・対人的知能・個人内知能の知能が独立して関連しながら存在している)のそれぞれを発達させることが出来ます。
 起きると立つでお城を作っている子どももいました。
 カプラの活動をしていると、壊れることがあります。そんなときは壊れて『しまった』とか『嫌だなあ』とかネガティブな感情が芽生える瞬間に、『いい音がしたね』と声かけをするように働きかけておきます。とくに指導員にはこのことをよくお願いしました。   子ども達は『いい音がしたね』との声かけでネガティブな感情から『僕が作ったからいい音がしたんだ』とのポジティブな感情になります。するとトラブ少なくなります。カプラ活動の過程で子ども同士が『いい音がしたね』と声掛け合ってチャレンジしていました。
 カプラ活動のルールを守れば、後は自由にやっています。作っては『出来上がったから写真に撮って』とやってきます。そして、また新しい作品にチャレンジします。
 1時間はあっという間に過ぎて、昼食となりました。途中でお母さんがお迎えに来た女の子はもっと遊びたいとのことでコンビニに昼食を買ってきてもらっていました。
 写真の右側の建物が東町児童センターです。左奥は原町第一小学校の体育館です。手前がけっこう広いグランドです。けれど福島原発事故から外遊びは出来ない状況だそうです。
 
 
 東町児童センターの入り口には放射線を測る機械が設置されていました。0.122μSv/h(マイクロシーベルト/毎時)と表示されていました。調べてみると健康には害があるわけではないけれど、通常の状態から比べると低い値ではないようです。
 
 午後からはもう一人児童クラブの職員が話を聞いて駆けつけてくれました。
 せっかくなので、マウントフジを覚えてもらおうと、子ども達は自由に遊ばせておいて、カプラを1800ピースくらい使って頑張ってみました。ところが完成直前で壊れてしまいました。
 みんなで『いい音がしたね』と声を掛け合いました。カプラがあるので、夏休みにはカプラでマウントフジを含めて作品作りにチャレンジしてくれるでしょう。
 指導員が頑張っている間に、子ども達はいろいろな作品を作っていました。午前中に1時間やっただけなのに、これだけの作品が作れるのは素晴らしいことです。線路と汽車を作っていた女の子はアグレッシブで昼食の時も服を水浸しにして着替えたりしてました。でも作品に取り組んだら、集中力がすごく、素晴らしい作品になりました。
 マウントフジが途中で壊れたので、カプラジェンガをみんなで作りました。作った後に道路や線路でつないでコミュニティ(町)を作りました。
 カプラの活動はケースワークとグループワークとコミュニティワークの要素も持っています。みんなで作品を作ることが出来ないで、一人で遊んだいた子どもも道でつながると一体感を感じて嬉しい顔になります。
 最後に出来上がった町の中にみんなで入って記念写真を撮りました。とても素敵な町が出来ました。
 カプラを作って遊び、その後に壊して遊びました。最後にみんなで後片付けをしました。カプラの活動は「働き」「学び」「遊び」の三つの要素が組み合わさっています。話を聞くときは学びですから真摯に聞く・遊び時は自由に遊ぶ・働くは人のために動くですから口を閉じてきびきびと働くことが大切ですと声かけをしたら、みんな後片付けまでしっかりやってくれました。
 午後2時40分に南相馬市を出発して234キロを走り、新潟市へ午後7時に戻ってきました。
 今回の活動を通じて、南相馬市の指導員や子ども達からたくさんのことを学びました。ありがとうございました。また共催して費用を応援してくださった新潟県児童館連絡協議会・全国地域活動連絡協議会に深く感謝しています。
  
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